おかしなほしのはなし

とっ散らかっている。

おかしなほしのはなし

サーヴ・ザ・サーヴァンツ

犬山さんはプロフェッショナルだった。 何のプロかというと、勤め人のプロなのである。ただし職業は不明だ。 犬山さんは「とら」によって神田が破壊されたときも律儀に出社したのだという。何の仕事をしているのかは不明だったが、兎に角出社したのだという…

ティームワーク

「匍匐前進マン!おれも助太刀するぞ!」

スピード狂

臨時ニュースです。三万頭の赤ん坊を追って匍匐前進マンが匍匐前進し始めました。

ピンク・プディング

ダメになってしまった神田の町に直径三百メートルほどの大穴が空いた。 大穴からのっそりと姿を現したのがママン。慈愛に満ちた瞳が母性を連想させるので、ぼくが勝手にそう呼んでいる。 ママンは瓦礫の山をがちゃがちゃと捏ねくり回していた。倒壊したビル…

過鈍感症患者M

Mさんが不安と養子縁組した。 生後三ヶ月ほどの不安を東池袋で拾って来たらしい。不安はMさんによく懐いていた。 Mさんはこれまでにも何匹かの不安を保護し、育て上げ、リリースして来たのだという。不安を育てることは最早彼のライフワークとなっているらし…

どろんこ大行進

臨時ニュースです。三万頭の赤ん坊が神田を目指して這い這いし始めました。

黄色くて大きいもの

町にとらが現れた。 とらは人間を踏み潰してしまわないよう慎重に進路を選んだが、そのドでかい図体ではデリケートな歩行にも限界があった。 伸されていく人々の絶叫。とらは泣きながら歩みを進めたが、罪悪感に精神をやられてしまい、ついに神田で倒れた。 …

仮面の隣人

隣人が怪人で人参が凶刃だった。 「何人殺ったの?」と聞いてみると「この惑星ではまだ五千」と大変なことを言う。ほかの星にも殺人罪というものがあるのか知らないけれど、ぼくは兎に角「厄介なことになったな」と頭を抱えてしまった。 不穏な隣人の不穏な…