黄色くて大きいもの

町にとらが現れた。 とらは人間を踏み潰してしまわないよう慎重に進路を選んだが、そのドでかい図体ではデリケートな歩行にも限界があった。 伸されていく人々の絶叫。とらは泣きながら歩みを進めたが、罪悪感に精神をやられてしまい、ついに神田で倒れた。 ずしんと轟音を立てて崩れ落ちるとらの巨体。神田一帯は瓦礫の山…